シナンテカトゥル、通称ネバド・デ・トルーカ山のオモロイ話。(2/3)

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メキシコ在住16年目、

「メキシコの素顔を世界に!をモットーに、

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いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、

公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

今日も呑気にメキシコから書いています~

 

シナンテカトゥル、通称ネバド・デ・トルーカ山のオモロイ話。(2/3)

👆左がフライレ峰(最高点)、右がアグィラ峰

余談

前回はこちらをどうぞ~。

メキシコ第4峰ネバド・デ・トルーカ山開山~キオテ通信

 

本題に入る前に。

 

昨日、

僕がサラリーマン時代に11年近く苦楽を共にした元同僚が日本に本帰国しました。(涙)

 

気が付けば、

これで僕の身近な所に日本人が居なくなりました。(寂)

 

たった一人日本人の恩人がいるのですが、

その方はオアハカの田舎に定住されているので、

もうかれこれ1年半ぐらい会っていません。

 

さらに先日火曜日には、

やはり会社の元同僚が帰国しました。

 

僕が独立後も彼らとは月一でBBQしたり、

ナベしたり、

会ってはいたのですが、

それがもうできなくなったと考えると、

なんかやっぱり寂しいですね・・・

 

彼らとはその会社の全盛期を一緒に過ごしましたから。

雇われ人生の中で一番楽しかった時期を共に過ごした仲間なんです。

 

当時は毎日普通に顔を合わして、

持ちつ持たれつのチームワークで、

苦楽を共にしたことを思い出しますが、

今はもう日本とメキシコ1万キロ以上離れています。

 

2人にとっての人生の大転換期。

健康第一で頑張ってもらいたいです。

 

また一緒にメシを食える日を楽しみにしています。

その頃には僕の商売も軌道に乗って・・・(笑)

 

シナンテカトゥル山の伝説

というわけで、

前回は、

ちょっと覚えるのが大変で、

メキシコの第4の高峰である

シナンテカトゥル(Xinantecatl)

が意味するとされている「裸の男」ってなんぞやっていう話でした。

 

これにはある伝説があって、

昔々この山の近くにメシカの司教のような人がいて、

その人がある女性に恋をしてしまったんです。

 

その司教をシナン(Xinan)さんといったそうです。

その女性はシアンの事を好きになれませんでした。

しかしシナンはアタックをやめません。

 

ついには服を脱いで、

湖の水の中でその女性と住もうと言い出します。

(なんかこじつけっぽいですが・苦笑)

 

これにその女性は不快感を覚えます。

(当然です・呆)

 

そしてシナンはフラれます。

 

女性はシナンをどこかに遠ざけようと連れ出すのですが、

ある場所でシナンは地面に倒れ込みます。

もちろん裸で、

しかもフラれたショックで失意のどん底で。

 

シナンは羞恥心で自殺をしてまおうと思い、

自分の胸を開き心臓を取り出したのでした。

 

シナンの死によりその女性は安心したのも束の間、

死体のあたりに地割れが起き、

溶岩が噴き出しました。

 

女性は“シナン”に謝りに行きますが、

時すでに遅し。

 

溶岩は止まらず巨大な火山を形成しました。

 

それを今日のシナンテカトゥル(Xinantecatl)といいます。

Xinanはフラれた哀れな裸の男、

Tecatlはナワトル語で山。

 

だから「裸の男の山」。

 

伝説ではない学説的な意味

この👆名称はスペイン語ではなくて、

ナワトル語っていうメキシコ固有の言語なんですが、

この固有名称が出て来たのは実はわりと最近で、

19世紀半ばごろなんですね~。

 

伝説だから作り話っていえば作り話。(苦笑)

しかもちょっと悲し過ぎる。(沈)

 

それで学者さん達はいろいろ調べたわけです。

 

一説によると、

どうもシナンテカトゥル(Xinantecatl)は、

Tzinacantecatlという単語からきているというもの。

 

現にこの名称から命名されたとされる街に、

Zinacantepec(シナカンテペック)という街がトルーカ市の西にあります。

 

その意味は「コウモリの山」

 

なんとなく似ているような?

 

でも不思議な事に、

これも19世紀半ば以前の文献に、

この名称が出て来ないんですね。

 

それで別の研究者が調べていくと、、、

2つの資料が見つかりました。

 

一つは16世紀後半、もう一つは17世紀前半のもの。

いずれもスペイン人修道士がまとめた史書なんですが、

それにこの名称の原型らしき記述があるのです。

 

それはというと、

Chicnauhtecatl(シORチクナウテカトゥル)という単語。

 

その意味は「9つの山」

 

お~、

なんかそれらしくなってきました。

 

確かに、

ネバド・デ・トルーカ山はギザギザしています。(笑)

 

実際にいくつ「山」があるのか数えてみました。

すると・・・

 

はい、最低でも9つの頂点がありました!(笑)

 

それから派生して、

Chicnahuapan(シORチクナワパン)という単語も見つかります。

その意味は「9つの水OR9つの湧き水」

これはトルーカ市の東から北にかけて流れるレルマ川を意味していると考えられています。

 

山の下に生活が成り立っていた

メソアメリカの人々にとって、

「山」は神聖な場所である事はこれまでも幾度も書いてきました。

 

イスタシワトゥル山山頂からは、

メシカ時代のものと思われるい遺物が見つかっていて、

周囲の遺跡(宗教的建造物)も、

イスタシワトゥル山山頂を下に配置されています。

 

メキシコ最高峰のシトゥラルテペトゥル山中腹や山麓からも、

土器や黒曜石の遺物が見つかっています。

 

このシナンテカトゥル山も例外でなく、

数々の遺物が見つかっていて、

いくつもあるピークの上からの出土という点も象徴的です。

 

山頂にはカルデラがあるのですが、

そこに湖があります。

深さは14m程ですが、

実はこの湖は昔はダイビングスポットだったとか。

(水冷たいのに・・・)

 

しかし、

この湖に残された多くの遺物が持ち去られたことから、

現在は禁止されています。

 

メキシコにはコパルという木(アレブリヘにも使われます)があるのですが、

その遺物が多く見つかっています。

 

豊作を願う宗教的儀式に使われていたと考えられていますが、

実は現在も一部の住民によって、

その儀式が行われているようです。

 

「9つの山」。

 

当時の人々はどんな想いでこの山を日常生活に位置付けていたのでしょうね~。

 

そしてシナンテカトゥルの由来の真相は・・・(笑)

僕はChicnauhtecatl(9つの山)が一番しっくりくると思っています。

根拠は・・・山頂がギザギザしているから。(苦笑)

 

「行ってみてください~」といっても、

そんな4000mの登山なんかできないと思われるかもしれませんが、

ご心配なく。

 

この山は上まで車で行けます。(笑)

 

上というのは4100m地点なんですが、

そこからカルデラ周辺をハイキングできます。

 

ハイキングだけでしたら、

特別な登山装備は必要ありませんので、

手軽に高度4000mの世界を体験されたい方にもおススメです。

 

メキシコシティから日帰りで行けるのも魅力的ですね。

 

ぜひぜひ、

足を伸ばしてみて下さい~(笑)

 

次回は登山日記書きます~

シナンテカトゥル・その3

 

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