メキシコのクリスマスは本物です。ポサダの話(2/2)

メキシコ在住20年のプロガイドが書いているメキシコ旅ブログです~
前回の続きです。前編はこちら~👇

メキシコのボーナス「アグィナルド」の由来
ピニャタやアメリカ大陸最初のクリスマスの所でも書きましたが、
ある司教がキリストさんの生誕を祝うクリスマスの前に、
特別なミサの期間を設けました。
このミサをアグィナルドのミサと言うのですが、
アグィナルド(aguinaldo)と言うのはクリスマスプレゼント。
このミサでは、
キリストさんがベツレヘム(現パレスティナ)で生まれるまでの様子を「劇」にして現地の人達にみせたのです。
もちろん布教の為に・・・

この「劇」をパストレラス(Pastorelas)というのですが、
現代でもこの時期になると公共の場所で観ることができます。
「来場者」にはお菓子などの「プレゼント」が渡されました。
これを「アグィナルド」と呼んでいたわけです。
現代では「アグィナルドは冬のボーナス」という金銭的な意味で使われますが、(苦笑)
元々はココが原点なんですねぇ。
ちなみに、
現代メキシコの企業は最低でも給与の半月分をアグィナルド(ボーナス)として、
従業員に支払わないといけないと法律で決められています。
現代のポサダ
それでこの「アグィナルドのミサ」という習慣はメキシコが独立した1821年以降に廃れてしまいます。
一時はほぼ完全に消滅という状態になったようですが、
一部の熱心な信者が復活させたようです。
でも教会の外でのミサではなく自宅で行うようになります。
これが現代のポサダの始まりです。
時の経過とともに各地で形に若干の違いはあるものの、
本質的な特徴、例えばポンチェ(フルーツを煮た甘酸っぱい飲み物)や「ポサダを頼む歌」だったり、
料理で来客をもてなしたりピニャタをしたりというコンセプトはどこも同じ。
確かにもともとマリアさんとホセ(ジョセフ)さんが、
ユダヤ王ヘロデによる神の子キリストの暗殺を恐れ、
9日間に渡って泊まる場所を探し歩いた期間を象徴する習慣ですから、
その本質的な部分は変容しません。
で、ポサダはどんな風に事が進むのかというと、
ある時間になると参加者(基本的に地元の人達)は2つのグループに分かれます。

一つのグループは会場となる家の扉の内側、もう一方は外側です。
扉は閉めたまま。
外側のグループ(マリアとジョセフ)から「ポサダを頼む歌」を歌い始めます。
その歌(Canto para pedir posada)は先日ご紹介したものです。
【ポサダの歌】メキシコのクリスマスそれに応える形で、
今度は内側のグループ(民家の主)が歌います。
5番までの歌詞を終えると内側のグループは扉を開けます。
「どうぞお泊まり下さい」
というサインで皆で家の中に入ります。
ポサダの歌↓
これがポサダの本質的な部分です。
そのあとは、その「好意」を祝うパーティーが始まります。
近所の人達との交流も生まれます
基本的にはモレなどの料理と、
あとはポンチェやチョコラテ(チョコレート)などで来客をもてなし、そのあとにあのピニャタが始まります。
モレとポンチェ↓



こんな感じでポサダは進むのですが、
もちろん現代は「布教」のためではないですよね。
メキシコの人達はポサダの再現として重要視しますが、
それに加え家族やご近所さん、友人たちとの交流の時間としても大変貴重な習慣として捉えています。
残念ながら、
このような大がかりなポサダは、特に都市部ではあまり見られなくなっています。
メキシコシティで有名な所ではソチミルコ近郊で、
僕も友達の家にお邪魔してこのひと時を地元の人達と過ごします。
日本や他の外国ではクリスマスは12月25日の一発だけですが、
メキシコは一足先に16日から既に始まっているのです。(笑)
次回は、メキシコの12月25日で終わらないクリスマスについて書いてみます~(笑)
ではでは~
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