メキシコで緊急事態が発生するとどうなる?

メキシコの病院
メキシコ病院

海外旅行では思いもよらないトラブルが起きることがあります。メキシコでも同じで、いざという時に冷静に対応できる準備がなければ、楽しいはずの旅が一変してしまいます。起こり得る緊急事態は大きく分けて次の三種類です。

  • 事故:交通事故(もらい事故)、転倒など
  • 病気や怪我:発作、高熱、下痢、骨折、肉離れなど
  • 事件:スリやひったくり、強盗、暴力を伴うトラブルなど

以下は、実際に旅行中に起きた事例です。

実際に起きたメキシコ旅行中の緊急事例

1. 転倒事故
あるお客様は、雨の日にレストランの床が濡れていたためあやまって足を滑らせ、腰から転倒しました。骨折はなかったものの痛みは残り、予定していた2日目のハイキングは延期。なんとか後日に実施できたものの、痛みが続いたため体力面にも影響が出始め、最終的には観光地を1か所キャンセルし、クエッツァランで延泊することに。もし個人旅行であれば1日の遅れがその後の旅程全体に響き、大幅なスケジュール変更を余儀なくされ、病院対応にも苦労していたでしょう。さらに混載ツアーなら、旅程をすべてキャンセルせざるを得なかった可能性もあります。

2. 下痢による体調不良
メキシコシティからカンクンへ向かう10日間のツアーに参加されたお客様は、3日目から下痢の症状が始まりました。発熱や嘔吐はなかったため食あたりではないと考えられましたが、移動中は常にトイレを気にする必要があり、メキシコ特有の「トイレ事情の悪さ」が行程を圧迫しました。原因と考えられたのは、2日目に口にしたモレスープ。私も何度も食べており、評判はよく、その日の味には問題なく食事も楽しめていたのですが、慣れない料理だったことから体調を崩されたようです。4日目以降はこまめな休憩をとりながら行程を続けられましたが、個人旅行で長距離バスや飛行機移動をしていれば、休憩は難しく、日程の大幅変更やキャンセルでほとんど観光できなくなっていたはずです。混載ツアーの場合でも、他の参加者への気遣いや体調への配慮から途中離脱を余儀なくされるリスクがありました。

3. 突然の発作と“暴力”
2日間のツアー中、移動の最中に突然「幻覚」を伴う発作を起こしたお客様がいらっしゃいました。原因は不明で、可能性としてはてんかんや認知症、統合失調症、薬物やアルコールの影響などが考えられるそうですが、ご本人に心当たりはなかったとのこと。問題はこの発作によって無意識に周囲へ暴力的な行動を取ってしまったこと。運悪くそれが当局関係者や周囲にいた人達に目撃され、警察沙汰になる寸前の事態に。私が「発作によるもので故意ではない」と強く説明してようやく警察送りを免れ、その後病院に搬送されました。紹介された大病院では「日本人医師がいる」と保険会社から案内を受けましたが、実際には一度も対応はなく、手続きや交渉はすべてガイドの私が対応。結果として1週間入院しましたが、完全な個人旅行であれば暴力事件として逮捕・起訴されるリスクもあり、病院での複雑な手続きにも対応できなかったでしょう。混載ツアーの場合はその時点でツアー終了となり、サポートも限定的であったと考えられます。

4. 登山中の肉離れ
標高4460mのマリンチェ山に登った際、山頂直下でお客様が肉離れを起こしました。普段からマラソンを楽しむ方で体力には自信があったのですが、突然のアクシデントにより歩行スピードは激減。応急処置としてテーピングで圧迫し、びっこを引きながら慎重に下山しました。サブガイドに無線で連絡し中腹ぐらいまで応援に駆け付け、2人がかりで車道まで下ろし、救助車両で登山口まで搬送することができました。もしこれが個人での登山であれば、携帯の電波が届かないため救助を呼ぶこともできず、日没を迎えて命に関わる事故になっていた可能性もあります。

メキシコ旅行で緊急事態が起きると大変

海外旅行では、誰にでも予期せぬトラブルが起こる可能性があります。特にメキシコ旅行では、万が一のときに他国以上に対応のハードルが高いのが現実です。ここで紹介した事例はいずれも海外経験が豊富な方や、すでにメキシコに暮らしている人々に起きたもの。それでも大変な思いをされたのですから、もし「海外初心者」や「メキシコ初心者」であれば、事態はより深刻になっていたのは明白です。「自分は大丈夫」「自分には起こらない」と考えるのは危険であり、いざという時に自分で責任を持てる準備をしてこそ、安心して「楽しいメキシコ旅行」を楽しめるのです。逆にそうした備えを怠った旅行は、無謀とさえ言えます。

また、現代は値段や表面的な情報だけで旅行を選びやすくなった時代です。ネットやSNSに情報があふれ、旅行者はあまり考えずに手軽に海外旅行へ出かけられるようになりました。しかし、現地の事情は決してお花畑ではありません。少なくともメキシコという国においては、「任せておけば大丈夫」という姿勢はあまりにも無防備です。実際に起こり得るケースを計画段階で想定し、そのうえで個人旅行にするのか、大手旅行会社のパッケージツアーにするのか、あるいは私のサービスのようなプライベートガイド付きの旅行にするのかを判断すべきです。

「大手旅行会社だから安心」「日本人が現地にいるから大丈夫」「ブログやSNSで紹介されているから問題ない」といった思い込みは危険です。重要なのは、ご自身が直接コミュニケーションを取り、納得して選ぶこと。その過程を経てこそ、本当に安全で後悔のないメキシコ旅行が実現できるのです。

リスクチェックリスト

とはいっても、平和な日本に住んでいては何が起こり得るか想像できない・・・という方に、リスクチェックリストをつくりました。簡単なものですが、まずはこの基礎的なリスクについて、海外旅行・メキシコ旅行をご計画されてみてください。

  1. 治安リスク
  • 個人旅行で強盗・スリ・詐欺にあったらどうする?首都ならともかく、地方で大使館も遠かったら?
  • 個人旅行で深夜のバス移動時に強盗にあったらどうする?
  1. 交通リスク
  • 日系大手の旅行会社のツアーなら絶対事故らない?
  • 個人旅行で突然の長距離バスや国内線の遅延・欠航があったらどうする?
  • レンタカーして不測の検問があり、犯罪をでっち上げられたらどうする?
  • 安全なエリア、危険なエリアがあることは知っている?
  1. 健康リスク
  • 混載パッケージツアーでお腹を壊したらどうする?
  • 現地の病院に行くことになったらどうする?
  • 登山中に捻挫や高山病で動けなくなったらどうする?
  1. 言語・コミュニケーションの壁
  • 英語・日本語が通じないメキシコでのトラブル時の対応は?
  • 医療機関・警察での説明不足による誤解が生じたら?
  1. 自然・気候リスク
  • ハリケーンや火山灰による飛行機の欠航時の対処は?
  1. 金銭・支払いリスク
  • カードが使えない、手持ちの現金がないときの対処方法は?
  • ぼったくりや吹っ掛けに遭ったときはどうする?
  1. ツアーのリスク
  • 価格だけで選んだツアーの安全性や内容不足の場合はどうする?日本人だから安心?
  • “ガイド”という人の説明は信頼できる?デタラメだったらどうする?
  • そもそも“ガイド”と呼ばれる人ならみんなちゃんと助けてくれる?
  1. 文化・習慣の違いによるリスク
  • 日本的な「正確さ」が通用せず、思い通りにならない場面ではどう対応する?怒鳴って理詰める?
  • 観光地が突然閉まっていたらどうする?

これらの事項は本当にあり得ること・あったリスクです。ツアーを買う、個人旅行で行く前に一度立ち止まって考えて、安全で楽しく、納得いくメキシコ旅行にしましょ~。

MCTのツアーなら、この辺りのサポートやアドバイスはツアー内の料金*に含まれています。皆さんのご旅行前のやり取りで、不明な点やご心配な点を全て解消します。

*緊急時のサポート

ツアー前のご質問は無制限です。現地での緊急サポートは1日ツアー開始から12時間以内であればツアー料金に含まれ、12時間超す場合は1時間毎の延長料で対応します。

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20年に渡りメキシコの社会にどっぷり浸かり生活している私から見た「メキシコの素顔」を、文章、写真、動画でご紹介しております。「飾らないメキシコ」をほぼ毎日撮り続けて1500投稿以上、日本語のメキシコ関連では最大規模のSNS!Mexico Complete Travel でも検索🔍いただけます。ぜひフォローをお願いします!

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私岩﨑はICF(インターナショナル・コーチング・フェデレーション)認定ライフコーチング業も営んでいます。
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