ジャガーから考える“旅行”の意味。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ旅行の政府公認ツアーガイド兼ドライバーをしています岩﨑コウです。

今日もメキシコから書いています~

 

ジャガー。

チーターとか豹に似たネコ科の動物ですね。

メキシコではハグァル(Jaguar)と呼ばています。

 

メソアメリカでも神聖な動物として壁画にも描かれています。

 

これは数多くあるメソアメリカに生息していた(いる)動物の中でも象徴的な存在なのです。

とりわけ“森”の豊かさを象徴します。

 

今では乾燥した大地であるテオティワカン一帯も、

豊富な木材が手に入るほど豊かな“森”が

周辺ないしは近くに存在していたと考えられています。

 

かつて、

テオティワカンの宗教的建造物は漆喰で覆われており、

赤茶色を基調とした色鮮やかな景観だったと考えられています。

出典:Arqueología Mexicana https://arqueologiamexicana.mx/

この漆喰を得る為に石灰岩を焼く必要があるのですが、

この作業の為に大量の木材が必要だったとされます。

どれぐらいかといいますと、

1キロの消石灰を得るのに3~4㎥の木材が焼かれていました。

もちろん近隣の“森”から木材を伐採するのですが、

広大なテオティワカンの建造物を覆うわけですから、

半端ない量の漆喰が必要だったことは想像に難しくないですね。

 

そのため、

広大なエリアの森林伐採がなんらかの環境の変動を起こし、

テオティワカンが“滅亡”へ向かった原因とされています。

 

そんな事で、

ヒトが住めなくなれば野生の動物たちも住処を失います。

 

ジャガーもその一つです。

 

その後もメソアメリカ各地での森林の減少は続きますが、

マヤ文化圏だけは辛うじて致命的な森林破壊は免れて来ました。

☝☝☝カンペチェのカラクムルの森
世界文化・自然複合遺産です。

そんなジャガーたちは、

マヤ文化の人達にとっても特別な存在でした。

その証拠に、

カラクムルやティカル、ボナンパックやジャチランなどの都市跡の石碑に記録があります。

 

ジャガーは、

現代の森林の健康状態を計るバロメーターでもあるんです。

 

メキシコにはジャガーをはじめ、

ピューマや山猫など6種のネコ科の野生動物が生息しているんです。

ジャガー以外は周囲の環境に適応していく習性があるのですが、

ジャガーは人類の文明を避けようとします。

 

つまり、

彼らの生活環境がヒトによる開発などによって脅かされると、

彼らは生活圏を変え、

人間の生活圏から遠ざかります。

これにより森の状態がわかるのです。

 

僕がこんな事書くと国外退去になってしまうかも知れないのですが、(苦笑)

「メキシコの、人類の遺産を守りたい」

という大義名分から発言すると、

現在進んでいる某地域の観光鉄道計画によって、

彼らの生活圏が分断されてしまうのです。

 

ただでさえ、

人間の生活圏の拡大などにより、

彼らの生活圏が狭まり、

且つ絶滅危機に瀕しています。

そんな観光列車の計画は、

彼らの存在を無視するモノです。

 

本来、

観光とは何なのか。

 

野生の動植物が存在する環境を変えてまで

発展させなければならないものなのか。

 

人間と動植物の妥協点を探し、

両者が共存しながら人類の発展は本当に不可能なのか。

 

観光列車は通しても、

人間がSNSにアップする“クダラナイ”写真のための“撮影地”と化してしまえば、

失われた彼らの生活環境やその命はその“クダラナイ”ものになります。

 

列車を通せばウン万本という木が失われ、

ジャガーをはじめとする野生動物の生活環境が分断されます。

列車との衝突による事故死も起こります。

今までなかった騒音も起こります。

☝☝☝動物園で生まれたジャガーの赤ちゃん

人間が、

彼らの犠牲に値する価値を理解できる準備は出来ているのでしょうか。

建前は「周辺住民の雇用確保」ですが、、、、

それが実現されないと言い切れる理由は、

ある前例が既に示しています。

本当に実現性があるのであれば、

まずはその前例の改善が実現されてしかるべきですが、

そのようには見えません。

 

詳しくはメキシコでお話しします。

 

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