メキシコの市場:ティアンギス

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メキシコの青空市場のはなし~

“先住民”の市場、ではない

我が家では、毎週火曜日の朝は買い出しの日となっているんです。

理由は、拙宅近くで“市場”が開かれるためなのですが、

この市場、一般的にティアンギス(Tianguis)と呼ばれていまして、

日本の情報サイトなんかですと“青空市場”や“先住民市場”などと書かれて紹介されていますね。

ちなみに、

“先住民”という言い方は誤解を生みかねるので、気を付けましょ~。(苦笑)

そもそも“先住民”って、何ですかね?

「昔から住んでいる貧しい人」的な意味にも捉えられますよね。

人によっては。

自分が先進的な暮らしをしていると思っているから?

その時点で差別が生じているのです。

事情を知らない人達が“先住民”と呼んでいる人たち、

我々と同じ現代に生きる同じ人間ですよね・・・。

 

ここではその話はとりあえずおいておきますね。次回に書きます~。

 

ティアングィスの由来

で、そのティアンギスなのですが、

この言葉ってスペイン語ではなく、

元々はナワトル(Nahuatl)語でティアンクィストゥリ(Tianquiztli)から来ています。

“市場”と訳されるのですが、

スーパーのようにずっとそこにある建物ではないのですね。

このティアンギス、

ただ商品の売買が行われていたわけではないのです。

人々の生活と経済の中心として機能していました。

ようするに、ただ取引をするのではなく、

遠方から来た商売人と知り合ったり、

友人と交流を深めたりする場所でした。

その習慣を利用して、

入植してきたヨーロッパ人達はその市場の近くに教会を立てたのです。

現在のメキシコシティ近郊には3つの主なティアンギスがありました。

トラテロルコ(ガイドブックで三文化広場と出ています)、

テスココ(空港の東の方)、

そしてテノチティトラン(ソカロ周辺)です。

 

この高度にオーガナイズされた商システムでは、

遠方からの商品や人間の交流は異文化交流を活発化させ、

各文化の独自性(アイデンティティ)を高めたのです。

高度が故、盗難や詐欺などの不正が発覚した場合には即刻死刑となることが多かったようです。

“Si se sorprendía a una persona en el acto de robar o de hacer trampas con la venta de sus productos, se la detenía al instante, la condenación dependía del delito, pero la muerte inmediata era el castigo más probable.”

引用: Investigadora Pascale Villegas

 

メキシコの“貨幣”の登場

当時この場所には“通貨”は存在していなかったため、

取引にはトゥルエケ(Trueque)といって、

今でいうバーター取引(物々交換)、

またはカカノ豆を貨幣替わりにしていました。

その他には銅製の鉈や織物と交換していたのです。

☝☝☝煎ったカカオ

カカオっておカネとも使われていたし、

貴族や戦士たちが滋養強壮のため飲んでいた、

昔から大事な植物だったんですね。

それもそのはず、

カカオはメキシコで人間社会で初めて実用化したということが考古学的に証明されています。

☝☝☝収穫目前のカカオ

皆さんが食べているチョコレート。

メキシコから世界に広がったんです~

 

市場は安くて新鮮

それで、そのウチの近くの“市場”なのですが、

モノが安い!

 

ほうれん草15ペソ(約90円)、

大キャベツ半分15ペソ、

ジャガイモ、肉、ニンジン、

一週間分の食材を買い込んでも約1200円。

 

近代的スーパーの商売では、

中間マージンや廃棄を前提とした仕入れや価格設定、

そのために掛かるエネルギーコストや環境への負荷が多大です、、、

それに比べてこのティアンギスでは必要なモノだけを必要な量だけ仕入れて売ることができ、

家計にも環境にも地域社会にもエコなんですよね。

 

そして何よりも、

この商業システムは500年以上にも渡って人とモノの交流を促してきて

現代メキシコにまで続いているのです。

そしてそのティアンギスそのものが当時から続いている場所は、

プエブラのクェッツァラン(Cuetzalan)だったり、

ゲレロのチラパ(Chilapa)だったり、

イダルゴのイスミキルパン(Ixmiquilpan)だったりします。

 

クェッツァランは僕のホームページでもおススメしていますよ~

是非是非行ってみてくだいね。

 

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