シンコ・デ・マジョって何を祝う?プエブラの合戦とは。

メキシコ在住16年目、

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公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

今日も呑気にメキシコから書いています~

 

シンコ・デ・マジョって何を祝う?プエブラの合戦とは。

 

今日メキシコは5月5日。

 

通称シンコ・デ・マジョ(Cinco de mayo)って呼ばれている日で、

祝日ではないものの、

あることを祝う日なのです。

 

なにかというと、

「フランス軍への勝利」

を記念する日。

 

アメリカやカナダなど、

メキシコ系移民が多い場所でしたら聞いた事がある人もいるでしょう。

 

日本は江戸時代末期、

今から159年前の

1862年5月5日の出来事です。

 

その現場はプエブラ市。

 

当時のメキシコは混迷を極めていました。

 

メキシコという国としてスペインから独立し30年以上経ち、

真の民主主義に向けて舵を切った時代です。

 

それまではというと、

スペインから独立はしたものの、

カトリック教会による“支配”が続いている状態でした。

 

それを打ち壊そうという動きが始まったのがこの時代、

1857年の憲法改正です。

 

この憲法には保守派(カトリック教会)に不利な要綱、

例えば奴隷解放や信仰の自由などが含まれ、

保守派の脅しもあり、

当時のコモンフォート大統領が逃げてしまいます。

 

その後を継いだのが、

最高裁長官だった

ベニト・フアレス大統領なんです。

(副大統領制が無いため)

 

が、

それでも保守派はフアレス大統領に圧力をかけ、

フアレスさんは一時地方に避難し、

1857年12月17日から通称3年戦争、

またはレフォルマ戦争という内戦状態に入ってしまいます。

 

これがフランスに付け入るスキを与えてしまいます。

 

というのも、

メキシコの内政は独立直後から安定せずグダグダでした。

 

1838年では通称ケーキ戦争で、

フランスに多額のカネを支払っています。

1847年には、

メキシコの国土の5割以上(カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコなど)を失うアメリカの侵略に遭いました。

 

戦争でなくても、

1823年にはグアテマラからコスタリカまでの中米の領土が、

1836年にはテキサスが独立。

 

1839年にはメキシコ北部の5州が分離寸前、

1841年にはユカタン半島が独立状態にありました。

 

極めつけが、

今回の3年戦争。

 

3年戦争後、

1861年にフアレスさんは正式に大統領の座に就くのですが、

これらの戦争やゴタゴタによる“外国への借金”がたくさんあったわけです。

 

そこで内政の安定化を優先させるべく、

対外返済を禁止します。

 

が、

これに続き不慮の事件が起こるなどし、

イギリスとフランスを刺激してしまいます。

それにアメリカ大陸奪還を望むスペインも加わり、

英・仏・西3国が「トゥリパルティア」同盟を結び、

メキシコのベラクルス沖に集結しフアレス政権に脅しをかけます。

 

オリサバ(ピコ・デ・オリサバの麓の街)でネゴし、

英・西は撤収したものの、

欲深いフランスは態度を強硬化していきます。

 

ナポレン3世率いる頭が狂ったフランス人は、

翌年1862年にメキシコを乗っ取るべく、

再び上陸。

ベラクルスからプエブラに兵を進め、

そこでメキシコ軍と戦いになります。

 

これが有名な「プエブラの合戦・Batalla de Puebla」で、

イグナシオ・サラゴサ

ポルフィリオ・ディアス

マリアノ・エスコベド

ヘスス・ゴンサレス・オルテ

率いるメキシコ軍が、

このフランス軍に勝利します。

 

これが159年前の今日1862年5月5日なのです。

 

これによりこの時のガイジンの侵略を免れることができた歴史的大勝となり、

今日まで語り継がれる所以です。

 

でもその翌年1863年の6月には、

欲深くて頭が狂ったフランス人は3万人も兵を増強し、

この地に戻って来るのです。

 

フアレス大統領はまたもや首都を追われる事になり、

その避難先というのがエル・パソ・デル・ノルテ、

現シウダー・フアレスです。

そこで4年に渡り執務を行う事になります。

 

この4年というのは、

事実上、

あろうことかオーストリア人皇帝マキシミリアン(Fernando Maximiliano José María de Habsburgo)に“統治”される事になります。

 

これを第2次メキシコ帝国と呼びます。

 

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