アメリカ大陸で「クリスマス」が始まった場所、メキシコ(2/2)

メキシコツアー

前回のつづきです~

今年ももう12月、メキシコはあと10日でクリスマス!(1/2) - メキシコのプライベートツアー | MCT

現代の西暦のような通し番号は52までしかありませんでしたので、人が何歳なのか、車のモデルが何年だとか、年金がもらえるまであと何年、という考えには至らなかったと考…

1519年のスペイン人の上陸
1519年スペイン人のベラクルスへの上陸

「旧暦のクリスマス」の意味

前回はメシカ(アステカ)族の神ウィツィロポシュトゥリ神について少し書きました。

で今更ながら前回のタイトル回収ですが、(苦笑)

前回「旧暦のクリスマス」と意味不明な題名を付けたのは、

メシカ族の神、

ウィツィロポシュトゥリ神と現代のメキシコのクリスマスの習慣と関係するから。

どういうことかというと・・・

ウィツィロポシュトゥリ神の生誕を祝う月パンケッツァリストゥリ月というのが、

現代の12月にあたる時期にありました。

その旧暦をグレゴリオ暦に当てはめると・・・

12月3日ごろにパンケッツァリストゥリ月の1日目がはじまります。

メシカ(アステカ)帝国の繁栄を極めていた1500年代初頭、

1519年に「謎の集団」によって、

約200年に渡って繁栄したメシカ時代は、

この「謎の集団」によって突如として征服されてしまいます。

「謎の集団」というは言うまでもなくスペイン人。

メシカ族にとっては鎧を纏い、

髭を蓄え、

白い肌をした人物を見るのは初めてでした。

そこからスペイン人によるカトリック化が始まるわけです。

人の信仰を変えるって並大抵のことじゃありません。

自分が今日からいきなりキリストさんの教えを信じなさいって言われたって、

キリストさんの教えが良いか悪いかは別問題として、

「は?」となるでしょう。(苦笑)

だから当時のスペイン人は暴力は当然ながら、

当時のピラミッドなどを完全に破壊せず、

一部を残した状態でその上にスペイン人の建造物を建て、

メシカの習慣をカトリックの習慣に鞍替えさせたのでした。

それが今はガイコツパレードと化してしまった「死者の日」であり、

グアダルーペ寺院であり、

クリスマスであり、

カンデアリアです。

グアダルーペ寺院
グアダルーペ寺院を寺院と呼ぶのは間違い苦笑

こういうことをすることにより、

民衆の「精神を征服」したんです。

だって暴力で「信じろ!」といったって無理があります。

それには彼らの習慣を「利用」する方が効率的。

だからメキシコの旧暦のパンケッツァリストゥリ月の、

ウィツィロポシュトゥリ神の生誕を祝う習慣は、

現代のクリスマスの前身というわけ。

メキシコのクリスマスはガチ

メキシコのメテペックにあるナシミエント
しっかりとストーリーがあるクリスマス

で、メキシコのクリスマスは日本のロマンチック度満点のそれとはまったく異質なもの。

メキシコのクリスマスは恋人とロマンチックに過ごすというものではなく、

基本的に家族で過ごします。

あまり友達とワイワイというのはしません。

友達とは年末年始に過ごすことが多いです。

メキシコのクリスマスは12月16日から始まります。

正確には「クリスマスに関わる習慣」で、

ポサダ(Posada)というものなんですが、

ご存じの方も多いピニャタだったり、

現代もボーナスの意味で使われるアグィナルドだったり、

パストレラという劇だったり、

あの手この手で、

民衆の信仰をキリストさんに向けようとした痕跡が、

現代のメキシコ文化に影響を及ぼしています。

いかがでしょう、

「メキシコの旧暦のクリスマス」

意味を解って頂けましたでしょうか。(笑)

この辺の歴史って、

学校の世界史じゃやらないですよね。

学校でやるような歴史って、

勝者によって書かれた歴史ってことを忘れちゃいけません。

さすがに「アメリカ大陸を発見したのはコロンブス」は改められた?

改められていなかったら気を付けて下さい。

「侵略者コロンブス」がアメリカ大陸に押し入る前から、

アメリカ大陸には人が住んでいました。

だからコロンブスはアメリカ大陸を発見していない。

「発見者」というのはヨーロッパ側から見た解釈。

メキシコ側から見ればただの侵略者であり虐殺者に他なりません。

当時の生活と今日の自分を重ねると・・・

メキシコシティ中心部歴史地区
歴史の宝庫メキシコシティ中心部歴史地区

今日のアメリカ大陸の人間社会がどう始まり成り立ってきたのか。

その根底にはこういったキリスト教による地元の住民への「精神征服」があったのです。

繰り返しになるかもしれませんが、

「死者の日」や「クリスマス」、

グアダルーペ寺院、メキシコシティ中心部歴史地区などの有名観光地や多くの現代メキシコの習慣というのは、

こうしたキリスト教の「精神征服」の基盤の上に築かれたもの、

と言うことを頭の片隅に置いてメキシコをご旅行されると、

また一層ですね、

そういったイベントや観光地巡りが充実してくるでしょう。

外国の歴史なので難しいし難しく感じるから「つまらない」と感じられるかもしれません。

でもそんなに固く考えるものではなくて、

今、目の前で行われている出来事や存在する周囲の建造物の背景を覗いてみるだけのことなんです。

そのために学校や他の書籍などヨーロッパ視点で書かれた知識を一度断捨離した方がいいということは常々書いてきました。

ニュートラルな視点でメキシコのそれらの「遺産」を見ていただくとメキシコ文化の本質が見えてきます。

そうすると、僕のメキシコシティウォーキングツアーで、

その時の情景を思い浮かべながらまるでVRのように?(笑)

お楽しみいただけます。

さらにメキシコが突出して凄い所は、

そういったヨーロッパ化が他のアメリカ大陸の地域に先駆けて最も早い段階で起こったということ。

最近アップデートしましたが、

「ベラクルスツアー」>で、

アメリカ大陸初の衝撃を感じていただけるツアーもご用意しておりますので、

ぜひですね、ワンランクの上のメキシコ旅行をお楽しみくださいませ~(笑)

ではでは~

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Ko Iwasaki
メキシコ在住20年のプロガイドです。 「自己紹介」はメニューの「ガイド&ドライバー紹介」よりご覧ください。