メキシコの冬の風物詩ピニャタ(ピニャータ)とは。
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メキシコの冬の風物詩ピニャタ(ピニャータ)とは。
クリスマスになるとピニャタが・・・
とうとう明日はクリスマスイブ。
日本もクリスマスムード全開だと思いますが、
みなさんはいかがお過ごし?
メキシコではポサダという、
季節的宗教的行事の期間ですが、
クリスマスが宗教的行事でない日本では、
「ただの」って言ったら怒られるのかもしれませんが、(苦笑)
「ただの」ショッピング期間なのでしょう。
昨夜も拙宅のお隣さんでは、
「ポサダ」をしていました。
このポサダっていうのは先日のブログで少し説明してあるので、
ここでは割愛しますが、
そのポサダという行事に登場するのが「ピニャタ」というもの。
日本語のサイトでは「ピニャータ」と書いているものが多いです。
日本ではクリスマスといっても宗教的は意味合いは薄いので、
クリスマスだからと言って、
ピニャタをする人達が増えるわけではないですね。
でもカトリック教徒が8割を占めるメキシコでは、
クリスマスとピニャタは切っても切れない関係。
現代版ピニャタの発祥の地と言われているアコルマンでは、
今月17日~19日までピニャタ祭りが行われていました。
☟素焼き製のピニャタ
ピニャタとはなんぞや
さてさて、
それでそのピニャタまたはピニャータとは何ぞやっていう話ですが、
その起源には諸説あり、
どれが現代版ピニャタのご先祖さんなのかはハッキリしないのです。
一つはマルコポーロが中国からロバや牛のカタチをした
Pignattaというものをイタリアに持ち帰ったという記録があるそうです。
その意味は「なべ」。
中国ではそれを春節になるとそれに豆をいれる習慣があったとか。
それを今のピニャタのように
つるして叩いて割っていたのかは
わかり兼ねるところではありますが・・・
それがスペインに伝わり、
スペインの植民地、
ヌエバ・エスパーニャに持ち込まれたというもの。
メキシコでは正式には1586年に、
ポサダの原型となる、
「アグィナルドのミサ」が
テオティワカンに近い
アコルマンのサンアグスティン教会で執り行われたという記録があります。
ピニャタもこの宗教的行事の一環で取り入れられ広まったと言いう説。
ピニャタって動物や人形の形をしたものだと思っている人が多いと思いますが、
宗教的には7つのコーンがついているんです。
7つのコーンはカトリックでは7つの大罪。
それっていうのは・・・
怠惰・大食・性欲・高慢・憤怒・貪欲そして妬み。
それを目隠し(信仰心)して、
美徳の象徴である一本の棒で叩き割る、
これがカトリックのピニャタをやる意義なんですね。
ただの空中スイカ割じゃないんです。(苦笑)
もう一つは、
日本でも有名なマヤやアステカで知られるメシカ、
その他の部族でも似たようなものがあったという説。
いずれの地域でも素焼き製で、
今のようの張子ではなかった。
地域が違えばピニャタも違う
マヤ圏といえばカカオの原産地。
今のようにお菓子ではなく、
カカオを中に詰めていたようです。
アステカで知られるメシカ圏では、
この時期、
今のクリスマスの前、
12月6日~20日ぐらいまで、
パンケッツァリストゥリという、
メシカの神ウィツィロポシュトゥリの生誕を祝う祝賀行事が行われていたんです。
そこで神々に形どった素焼き製の「ピニャタ」に、
フルーツやトウモロコシなどを入れたものを割っていたとか。
言うまでもなく、
パンケッツァリストゥリ(Panquetzalistli)というのは、
スペイン人によって利用され、
後のポサダに繋がるものとなり、
スペイン人の布教という大義名分のもと、
ポサダとピニャタはセットで受け継がれ、
広まったというもの。
☟パストレラという劇。布教の一環で後にポサダへと繋がります。
ピニャタは楽しいけれど・・・
日本に「日本ピニャータ協会」という組織まであるようで、
その存在はメキシコに留まらず、
中米をはじめアメリカや、
遠くはインドにも広まっているようです。
日本の方からも、
「メキシコでピニャタしたい!」というお問合せを頂いたことがあります。
僕の返答はもちろん「OK」。
でも一つ条件付きで。(苦笑)
というのも、
ピニャタだけをガンガン叩き割るってことは、
少なくてもメキシコではしないんですね。
ピニャタをするにはシチュエーションが大事なんです。(笑)
先ずはポサダっていう、
まさにこの時期のクリスマスの期間。
あとは、
誕生日などの人が集まる機会ですね。
「ゲーム」だけが独り歩きしてしまっているかのような、
「ピニャタ」。
これにもちゃんと歴史があるんです。
明日はクリスマスについて少し書きたいと思います~
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