2026年ワールドカップも、いよいよベスト8が出揃いました。

メキシコに住んでいることもあり、現地の熱狂を肌で感じながら試合を観戦してきましたが、今回はいつも以上にいろいろなことを考えさせられる大会でもありました。

純粋に「面白かった!」で終わる部分もあれば、「なんだかなぁ…」とモヤモヤした部分もあります。

今日は試合結果を振り返るというより、この大会を通して僕が感じたことを書いてみようと思います。

Selfie taken in front of Estadio Ciudad de México, with banners and fans gathered around a purple-tinted plaza area behind the stadium.
開幕戦会場のメキシコシティスタジアム

モヤモヤの中で始まったメキシコW杯

2026年のワールドカップ。

メキシコに住む僕にとっては、一生に何度も経験できる出来事ではありません。

開催が決まったときは、「歴史的な瞬間に立ち会える」と素直にワクワクしていました。

しかし、実際に大会が始まるまでには、どこかモヤモヤした気持ちがありました。

大会前から話題になったのは、純粋にサッカーのことばかりではありません。

高騰するチケット価格、スポンサーやFIFAを巡るさまざまな問題、開催国が抱える問題、政治的な駆け引き……。

さらには大会期間中も、イランの選手団を巡る不公平さや、判定を巡ってアメリカ側からFIFAへの圧力が報じられるなど、「スポーツの祭典」という言葉だけでは片付けられない出来事が次々と起こりました。

もちろん、世界最大級のイベントですから、政治や経済と無縁ではいられません。

それでも、「純粋にサッカーを楽しむ」という空気は、子どもの頃に感じていたものより薄くなってしまったようにも感じます。

それでも、自国の試合はやっぱり特別だった

Colorful festival stage with a giant screen displaying a soccer field and crowd, branded with Hisense and festival logos.

そんなことを考えていても、いざ日本代表の試合が始まると話は別です。

心拍数は一気に上がり、一つひとつのプレーに一喜一憂する。

「あぁ、やっぱりサッカーって面白い。」

そう思わざるを得ないのです。

ソカロ広場やレフォルマ通りには大型モニターが設置され、ゴールが決まれば知らない人同士が抱き合って喜ぶ。

スポーツには、人と人を一瞬でつなげる不思議な力があります。

今日までで最も印象に残った試合と、日本代表について

全試合を見たわけではありませんが、今日までで「これぞワールドカップ」「これぞ死闘」と思った試合がいくつかありました。

カーボベルデ vs アルゼンチン

一つは、カーボベルデ対アルゼンチン。

人口約50万人で初めて聞いたような超小国が、世界的スターを揃えたアルゼンチンをあと一歩のところまで追い詰めた試合です。

上から目線で言うつもりはありません。

でも、本当に日本のような恵まれた育成環境ではない国で育った選手たちが、世界屈指の強豪を苦しめる姿には、ただただ感服しました。

僕にはまったく接点も知識もない国の選手に「よくやった!」と素直にいってあげたい。

これぞワールドカップ。

番狂わせが起こるからこそ面白いのです。

イングランド vs メキシコ

もう一つは、イングランド対メキシコ。

住んでいる国だからという贔屓目ではありません。

離されては追いつき、また離されては追いつく。

選手も観客も、一瞬たりとも気が抜けない試合でした。

2失点目だけは少しもったいなかったですが、その後しっかり修正し、最後まで攻め続けたメキシコの姿勢には感動しました。

そして、それと同じぐらい印象に残ったのがイングランドです。

イングランドは早い段階で退場者を出して10人になりました。

それでも彼らは、「絶対に守る」を徹底してやり抜きました。

40分以上もの間、全員が体を張り、最後まで集中力を切らさず、文字どおり守り切ったのです。

これなんです。

僕が日本に足りないと感じたのは。

守るなら、絶・対・に守り切る。

その覚悟です。

日本 vs ブラジル

逆に、一番悔しかったのは日本対ブラジルです。

ド素人の見解ですが、あれは勝てた試合だったと思っています。

実際、前半の終盤は日本が試合を支配していました。

ところが後半になると何が起こったのか、急に動きが悪くなり、防戦一方の時間が続きました。

その時点で僕は、「これは負けるな」と思いました。

守るのが悪いわけじゃありません。

でも、守るなら絶・対・に守り切らなければいけない。

それができないなら、攻め続けなければいけない。

日本は、そのどちらも中途半端になってしまったように感じました。

後半の終盤は体力的にも限界だったと思います。

でも、それはブラジルの選手も同じです。

どこか「延長戦まで持ちこたえよう」という空気が漂っていたようにも見えました。

ヨーロッパのトップリーグで戦う選手ばかりですから、そのあたりは十分理解しているはずです。

それでも最後に持ちこたえられない。

そこが、今の日本代表の壁なのかもしれません。

試合中、メキシコの実況が叫びました。

「日本のカミカゼはどこへいったんだー!」

日本は最後まで前へ向かうチームじゃなかったのか。

「よくやった!」

「胸を張って帰ってこい!」

そんなやさしい声がたくさん聞こえてきます。

もちろん、それはいいんです。

ただ、一応この大会は、小学校の運動会ではありません。

プロの勝負の世界です。

特定の選手を責めたいわけではありません。

僕が残念だったのは、後半の日本代表からは、最後まで猛突進する覇気が感じられなかったことです。

勝った、負けたではなく、試合中の姿勢。

結果は相手もいる以上、どうにもならないことがあります。しょうがないです。

でも、最後まで「勝ちに行く姿勢」は、自分たちで選べるものだと思うのです。

あとはそうですね、負傷者が多すぎ。

スポーツにけがはつきものですが、それも含めての実力。

他の国も条件は同じです。

メッシ選手は、もちろん功績は言うまでもないですが、怪我をしない。

しっかりと本番に合わせ、出場します。

そんな中でも、僕の中での今大会の日本代表MVPは二人。

前田選手と鈴木選手です。

前田選手の圧倒的なスピードと、前線から最後までプレッシャーをかけ続ける鬼のスタミナと覇気。

あれこそ日本代表の武器だと思います。

そして鈴木選手。

何度あの好セーブに救われたことか。

本当に素晴らしいものでした。

だからこそ、あと一歩。

その「最後の壁」を越えた日本代表を、次のワールドカップでは見てみたい。

そんなことを感じたのでした。

続きは後半へ続く~↓

【2026年FIFAメキシコワールドカップ】について思うコト(後編)

前編では、2026年ワールドカップで印象に残った試合や日本代表について書きました。 でも、この大会を通じて考えたことは、それだけではありません。 数日経って熱狂が冷…

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