
数字から見える意外な現実
「メキシコの人はのんびりしていて、あまり働かない。」
そんなイメージを持っている方は多いかもしれません。
ところが実際は、そのイメージとは真逆。
ニュースサイトでこんな記事を見つけました。
¿Cuáles son los países donde la gente trabaja menos y más?
どこの国が長時間または短時間労働? 各国の平均労働時間/年です。
なんか、どうしても画像がボケちゃうので、 こちらのリンクを開けて頂き、 この表をご覧ください。
(出典:EL ECONOMISTA)
ご存知の方も多いと思いますが、 メキシコって上位の常連なんです。(苦笑)
各国の年間平均労働時間を比較したデータです。
ご存じの方も多いと思いますが、メキシコはOECD加盟国の中でも毎年トップクラスの長時間労働国なんです。(苦笑)
「えっ?あんなにのんびりしているのに?」
そう思いますよね。
でも実際には違います。
メキシコ人は実はかなり働き者です
なんとなく、
「メキシコ人=働かない」
というイメージがあります。(苦笑)
実際に、SNSではメキシコ人の働かなさを嘆く投稿も散見します。
で、実際はというと、必ずしもそんなことはありません。
むしろ、とても働きます。(例外はありますが)
働かないのはマネジメントの問題です。
僕自身、メキシコの人たちと約13年間同じ職場で働き、現在もガイド仲間と仕事をする機会があります。
妻を含めた周りのメキシコの人たちからも、それぞれの職場の様子を聞くことも多いです。
それなりに実際に現場を見てきた立場から言えることですが、
「メキシコ人は働き者」というのは間違いなく事実です。
もちろん仕事の進め方や考え方は日本とは違いますよ。
働かないという人たちは“日本的に”いうと、だと思います。
ただですね、その“日本”を尺度にするのが良くないと思っていて、
日本だって労働生産性メチャ低いじゃないですか。(苦笑)
メチャ低い日本の労働生産性、
つまり、肝心な“生産”せずにガラパゴス化した特定の組織特有の慣習を全うしてなんぼ、
を基準に、
メキシコ人は働かないというのはちょいとナンセンスかと。
単純に「怠けている」と思われがちですが、実際に生活してみると印象は大きく変わります。
日本は本当に「世界一働く国」なのか?
一方で、日本。
「過労死(Karoshi)」という言葉が世界でも知られているくらいですから、
働きすぎの国という印象があります。
ところが、このデータを見ると意外にもそこまで上位ではありません。
カナダやオーストラリアよりも年間労働時間は少ないんです。
もちろん、これには理由があります。
日本では労働人口の2割以上が短時間勤務の労働者。
パートやアルバイトなど、年間1000時間程度しか働かない人も多く、その数字が平均を押し下げています。
一般的な正社員だけを見ると、年間2000時間を超えるケースも珍しくありません。
さらに気になるのが、
持ち帰り残業やサービス残業。
こうした数字に表れない労働時間は、この統計に含まれているんでしょうかね?(苦笑)
日本企業に残る「謎の評価基準」
日本の謎の習慣。
そのひとつが、
「上司が帰るまで帰りにくい文化」
今でも残っているのでしょうか。
さすがにその辺はZ世代さん達が頑張って変えてくれている?
飲み会も行かない人が増えた?行ったら残業代請求?
僕は日本で働いていなくて本当に良かったと思っています。(苦笑)
協調性がないので、おかしいと思ったことにはどうしても耐えられません。
以前、日系企業で働いていた頃、日本本社から来た上司が営業部員を「外出時間」で評価しようとしたことがありました。
営業マンは外にいる時間が長いほど頑張っているとみなし評価する、というもの。
でも、
外で何をしているかは見ていないじゃないですか。
8時間外回りして10の成果を出した人と、
8時間外回りして5のしか成果が出なかった人が、
同じ評価になってしまう。
さらに、
5時間で仕事を終えて会社に戻り、数字を分析し次の戦略を立てる人。
10時間かけて同じ仕事をして、そのまま帰る人。
前者のほうが評価が低い。
僕には全く理解できませんでした。(呆)
で結局、僕はその指令をガン無視して「外出時間レポート」を提出しなかったことで怒られました。(苦笑)
……と言っても、ちゃんとレポート自体は提出していましたよ。
会社の門で守衛さんが外出・帰社時間を記録しているので、そのコピーを提出するだけ。
オリジナルは会社が持っているのだから、必要ならそちらを見ればいいだけの話です。
わざわざコピーを提出させる。
そんな不可解なルールを作りたがる日本企業らしさを、今では懐かしく思います。(苦笑)
メキシコの労働時間が長い理由
話を戻しましょう。
では、なぜメキシコは長時間労働なのでしょうか。
その理由としてよく挙げられるのが、
「生産性の低さ」
こっちはこっちで生産性が低い。(苦笑)
実際に調査でもそうした結果が出ています。
特徴的なのは、業務の掛け持ちが苦手というのがあります。
例えばレストラン。
レストランにいくとやたら従業員の数が多いです。
というのも、今手が空いたからこっちをやろう、手伝ってあげよう、というのがあんまない。
持ち場担当制なので、自分に充てられた仕事だけやる。
他はタダではやらん、というもの。
レストランで注文しようにも、
自分のテーブルの担当者でないと相手してくれないのはそのため。(泣笑)
あと、思い当たることはこれ。
例えば、
- お客様が来ていても「昼休みだから」と誰も対応しない。
- 自分の担当ではないからやらない。
- 「やる」と言ったのにやらない。
- 優先順位より、目の前に置かれた順番で仕事を進める。
- 「今日は今日、明日は明日。」
- 金曜日の午後はすっかり週末モード。
- 昼食時にビールを飲んでゆっくりする。
- 仕事中でもおしゃべりを楽しむ。
- W杯に乗じて画面を見ながら仕事をする。
日本の人から見ると、
「なんでそうなるの?」
と思う場面は確かにあります。
強いていえば、ホワイトカラー系の人の方が怠け癖がつよいかも?(苦笑)
ブルーカラー系は確かに能率は悪いかもしれないが、持ち場をちゃんと決めてルールを決めれば、ちゃんとやってくれるものです。
日系企業の僕の元同僚たちは仕事そのものは非常にテキパキこなし、ほぼ毎日定時で帰っていました。
残業もしない。
無理もしない。
昼休みはきっちり1時間。
終わらなければ「終わりませんでした」。
追加で仕事を頼まれたら「残業代をください」。
実はとても論理的なんです。
反応も分かりやすいので、一緒に働く側としてはむしろ付き合いやすい面もあります。
こういったら、こうくるな、と。
だから、長時間労働ではあっても、日本のように「過労死」という言葉は聞きません。
メキシコを含め、多くの国では労働市場の流動性が高く、
嫌なら辞めて次へ行く。
それが普通だからです。
「死ぬまで我慢する」という考え方はあまりありません。
メキシコは給与水準も低い
もう一つ調査で指摘されていたのが、
給与水準の低さです。
OECD平均と比べても半分以下。
2020年当時の平均月収は約5万円ほどでした。
2026年、これは約10万円に上がりました。
しかも、この数字は一部の高所得者が平均を押し上げています。
実際にはもっと低い人が大半でしょう。
さらに、この統計は正規雇用のみ。
メキシコでは労働人口の約6割が非正規雇用と言われています。
露天商や個人商店などがその代表例です。
以前ご紹介した零細小売店もそうです。
全国に約140万店あり、小売業全体でも非常に大きな存在ですが、その9割以上が非正規。
だからOECDの統計にはほとんど反映されません。
数字だけでは見えてこない、メキシコならではの労働事情がたくさんあるんですね。
メキシコを知ると、働き方への見方も変わる
メキシコで暮らしていると、
「仕事は人生の一部」
という考え方をよく感じます。
一方、日本では仕事そのものが人生の中心になってしまうことも少なくありません。
もちろん、どちらが正しいという話ではありません。
ただ、
「人生の中に仕事がある」
くらいの距離感のほうが、人生の幅は広がるのではないかと僕は思っています。
仕事や起業だけが人生の目的になってしまうと、少し窮屈かなと思います。
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