マヤの遺跡とチアパスの大自然が織りなすメキシコの素顔

👆ジャスチラン遺跡の特徴的な建造物

遺跡からジャングルまで、メキシコの知られざる一面を感じられます

この地域のご旅行では、有名なパレンケ(Palenque)やその南東部にあるヤシュチラン(Yaxchilan)、ボナンパック(Bonampak)などのマヤ文化の遺跡、そしてメソアメリカ史にご興味がある方はぜひオルメカ圏にも足を伸ばしてみてはいかがでしょう。オルメカは有名なマヤが始まる前、紀元前1800年頃に現在のメキシコがある地域で最も早い段階で巨大建造物の建造や「羽毛の蛇」の信仰、首長の存在など、一つの都市を形成するのに必要な社会要素が纏まり、「メソアメリカ最初の大文化」が興った場所です。また、一般的な旅行、一般的なメキシコの観光とは一味違った旅にされたい自然派の方にもおススメのルートです。

パレンケやヤシュチランがある一帯はラカンドン原生林と呼ばれており、メキシコにある数々の自然公園の中でも植生や動物の種類が多いことでも知られます。

 

マヤのジャングル地帯ラカンドンへの旅

👆ラカンドンのジャングルの中

ラカンドン(Lacandón)という呼称は、今では消滅してしまったCh’oltiというマヤ系の言語のLacan-túnが語源とされています。その意味は「岩山」または「硬い岩」。マヤ時代にミラマル(Miramar)という湖の近くに集落を形成した、ユカタン半島出身の一部の部族が名付けた名称。このメキシコの言語の話はとても複雑なのですが、メキシコの文化、マヤ文化を理解する上でとても重要で、少しでもわかってきますと非常に興味深いですので、現地でしっかり説明させて頂きます。その知識をもとに観光されると、このチアパス東部のご旅行がより興味深いものとなります。

このラカンドン原生林北部だけとってみましても、パレンケやジャスチラン一帯で話されるチョル(Chol)語、ボナンパック遺跡付近の集落で話されるマヤーラカンドン(Maya-Lacandon)語、パレスティナ村で話されるツェルタル(Tzeltal)語、そのほかにはトホラバル(Tojorabal)語、ツォツィル語、チョンタル語など、集落または地域ごとに同じマヤ系でも異なる言語が今でも第一言語として日常レベルで話されています。その一方で、貴重なメキシコの文化の一つであるそれらの言語のいくつかは、年々話者数が減り、マヤ-ラカンドン語のような言語は消滅危機にあることはメキシコにとって大きな損失になると私は考えています。

このラカンドン原生林には確認されているだけで114の蝶、345もの哺乳類、3400種の植物、その内約160種はこの森固有のもので、メキシコ全土の植生の15%を占めます。絶滅危惧種に指定されているタピルやジャガー、あと鳥類ですと日本語ではコンゴウインコと呼ばれる赤グァカマヤなどの貴重な生息地になっています。

 

マヤのクラシコ期を代表する遺跡群

👆パレンケ遺跡

ユネスコの世界遺産にも指定されているパレンケという都市跡(遺跡)は、有名なマヤ文化の中でも前期の後半に繁栄しました。メソアメリカ史は大きく分けると3つに分かれるのですが、その真ん中の時代をクラシコ期といって、AD200年頃から900年頃までの時代をそう呼びます。マヤ前期というのは紀元前に端を発するプレクラシコ期に集落が形成されクラシコ期に大都市として発展を遂げたカラクムルやティカル、そしてクラシコ期末期に繁栄し衰退したパレンケやトニナなど、900年以前の時代は「マヤ前期」と呼ばれています。900年以降は皆さんもご存じの有名なチチェンイッツァやウクスマル(ウシュマル)、トゥルムなどが発展するポスクラシコ期へと繋がります。パレンケが繁栄したクラシコ期はその中でも前期・後期と分けられ、パレンケの発展は特に後半の600年頃~900年頃とされています。その一方で、一つの都市がある日突然発展するということはなく、その繁栄にたどり着くには長い年月が掛かりました。今日パレンケ遺跡がある地帯に集落が形成され始めたのは紀元前150年ごろ、そしてAD200年ごろにようやく最初の巨大建造物がつくられます。

その当時はPalenqueという名称ではなく、このエリアで話されているマヤ系の言語チョル(Chol)語ではオトゥルン(Otulum)と呼ばれ、その意味は直訳すると“要塞化された家”。その理由はパレンケが建設された地形をご覧ください。そのほかにラカンハ(Lacamha’)と呼ばれることも。これは同じマヤ系でもマヤ―ユカテコ語という、ユカタン半島で使われる言語の名称。その意味は“水が”大量にある場所”。現に少なくても9つの水源が存在していました。そんなマヤ前期後半に絶大な力を誇っていたパレンケ。トニナ、カラクムルなどマヤ前期の大都市の終焉はマヤ時代の新たな幕開けへと流れていくのです。

👆現存するメソアメリカ3大壁画の一つボナンパック

そして陸路では到達不可能なジャスチラン遺跡。こちらはパレンケの初期の建造物ができ始めたAD200年頃から繁栄が始まり、パレンケの最盛期とほぼ同年代の600~800年頃にかけて全盛期を迎えます。マヤ圏はざっくりとわけると16の建築様式があるのですが、このジャスチランは近くのボナンパックやパレンケ、トニナとは異なる様式、ウスマシンタ様式の建造物が特徴的です。

 

ラカンドンの森で自然を感じながら一泊しましょう

👆チョル族の方たちに案内してもらいます。

一般的なツアーは日帰りのパレンケ発着ですが、弊社のツアーではラカンドン森林で一泊するルートをおススメします。一般ツアーではボナンパック遺跡とジャスチラン遺跡を文字通り駆け足で回り、往復6時間を車で移動するというものです。しかしそれだけで帰られてしまうのは勿体ないのがこのラカンドンツアー。大部分携帯の電波が届かず、インターネットも届かない森の中で動物の「生」の音を耳にしながら過ごす夜。決して「豪華」な宿泊施設ではありませんが、周囲が100%マヤ圏の自然の世界に囲まれた場所は、地球上のどんなに豪勢なホテルやレストランよりも「贅沢」な場所です。

この施設では電力はすべてソーラーパネルで発電しバッテリーに充電し、水は年間降水量が2000~5000mmにもなる豊富な雨量がもたらすウスマシンタ川を水水源とし、温水も太陽熱で確保しますので限りなく100%に近い持続可能な形で、ラカンドン原生林をご体験いただけます。ゆくゆくは提供させて頂くお食事の食材につきましても、現在少しずつ始めております自家栽培の作物でご提供するよう考えております。

そして原生林ツアー。一周2時間弱の原生林を特に野鳥や、時折姿を現す野生動物を静かに見守りながら行く本物のジャングルツアーです。ルート上には手つかずのマヤ時代の建造物跡があります。さらに、地元のチョル族の人達との交流も貴重な経験となるでしょう。決して表に出ることのない彼らの伝統や習慣など、束の間のひと時ですが、交流頂ければ楽しい記憶となることでしょう。

ご希望であれば帰りにはグアテマラ国境の村へ立ち寄ります。特になにか観光資源があるわけではないのですが、一跨ぎすれば別の国という、日本では経験できない不思議な体験はいかがでしょうか。

※廻る事ができる場所の数はお客様のご滞在時間によりますので、旅程をご相談させて下さい。お客様の時間によって臨機応変にスケジュールを組みますので、お気軽にご相談ください。

 

こんな方々におススメです!

  • ワクワク感を高めたい方
  • 「メキシコの素顔」を感じたい方
  • 「移動」の時間を「発見」の時間に変えたい方
  • 一般的なツアーでは物足りなくなった方
  • 女子旅
  • 体力が有り余っている方
  • 特別なメキシコ旅行にしたい方
  • 文化・自然が好きな方
  • 悶悶と過ごしている老若男女

もちろん、上記の方々以外の方でも大歓迎です!